公開: 2020年5月25日
更新: 2020年5月25日
エウクレイデスは、日本では英語読みの「ユークリッド」と言う名前で知られている、古代ギリシャ時代のエジプトの都市、アリキサンドリアで活躍した数学者です。特に、平面幾何学などについての教科書である「原論」を書いた著者として知られていますが、その生涯についてはほとんど分かっていません。紀元前3世紀頃の数学者だと言われています。
エウクレイデスの「原論」は、天文学を研究するための数学的な基礎として、古代ローマ帝国が滅亡すると、イスラム世界において広く研究され、現在に伝わっている「原論」は、アラビア語に訳されたものが、中世後期のヨーロッパに伝えらた内容を、もう一度、ラテン語に翻訳されたものが基になっているものです。「原論」では、数少ない「定義」と「公理」を基に、私たちの身近にある問題を「定理」として整理し、それを簡単な「定理」や「公理」などから説明する「証明」が付けられています。
12世紀にヨーロッパで「大学」が生まれると、大学の共通的な基礎科目として、「原論」が教えられるようになり、ラテン語と同じように、ヨーロッパの知識人の基礎的な素養や知識として教えられていました。